この恋は、絶対に秘密!
付き合ってもいない、しかもどこの誰だかわからない男性の家に女が泊まり込むだなんて、普通なら未来くんのように反対するだろう。

汐美さんはそうは思わないのかと単純に気になって聞いてみると、彼はふっと微笑を漏らす。



「……確かに、お嬢様が怪しい男性にたぶらかされているのでは…と思うと心配ではあります。
ですが、昨日の時点で何事もなかったのなら、その方をある程度信用してもいいのではないかと」



──そう言われて、昨夜の岬さんの姿を思い出す。


チャンスはいくらでもあったのに私を襲ったりなんてしなかった彼は、紳士だと言ってもいいのかもしれない。



「それに、お嬢様はしっかりしていらっしゃいます。
男と女は何があるかわかりませんが、善悪の分別はきちんとつけられると信じておりますから」


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