この恋は、絶対に秘密!
全ての事情を話し、一応鈴音の家に泊まらせてもらえないかと聞いてみたものの、答えは汐美さんの予想通りNOだった。

鈴音の両親はそういうことに関して厳しいから無理もない。


そして代わりに返ってきたのは、

『その上司さんの家にもう一度お世話になるしかないでしょう!ついでにバージンも卒業してきなよ~!』

という、なんとも楽しげで勝手な言葉だった。



声と同じでまったりおっとりした鈴音は、ストレートの長い黒髪と着物姿がよく似合う家元のお嬢様だ。


けれど、そんな清純派かと思いきや鈴音もやることはやっている女の子のうちの一人。

今付き合っている彼氏との初体験話から始まり、そういうコトに関する私の知識の大部分は鈴音の赤裸々な実体験から得ている。


だから私の恋愛話になると、彼女はワクワクしながら突拍子もないことを言うのだ。


< 144 / 387 >

この作品をシェア

pagetop