この恋は、絶対に秘密!
「……あれから鈴音にも頼んでみたんだけどね、やっぱり汐美さんの予想通りダメだったわ」
夜の街を走る車の中で、私は運転する汐美さんの横顔を見ながら苦笑してみせた。
一日経った今、私達は岬さんのアパートへ向かっている。
今度はしっかりと用意した着替えや下着、化粧品などの一番上に、丁寧に畳んだ岬さんの服を入れた大きなバッグを乗せて。
「鈴音にも『好きな人の家に泊まるなんて、ある意味チャンスじゃない♪』って言われるし。絶対皆楽しんでるわよねぇ……」
そう言って横目で汐美さんを見やると、彼はニンマリと笑みを浮かべていた。
私のドタバタな恋愛の行方がどうなるのか、内心面白がっているに違いない。
……かく言う私も、これからどうなるのか期待と不安でドキドキしているのだけれど。