この恋は、絶対に秘密!
岬さんは記憶を整理しているのか少し考え込んだ後、私を横目で見て「……キス?」と確かめるように言った。

顔に熱が集まるのを感じて俯くと、岬さんは前髪に手を潜らせて軽く息を吐き出す。



「悪い、なんか夢と現実の区別がつかなくて……」



元はと言えば悪いのは私なんだけど、と心の中で謝りつつ、彼が何の夢を見ていたのかがとっても気になった。



「……何の夢見てたんですか?」

「え?」

「“ユミ”って言ってましたけど……」



その名前を口にした瞬間、胸がチクリと痛むのを感じた。

そして岬さんは、憂かない表情に変わって私から目を逸らした。



「まだ夢に出てくるとはね……」



独り言を呟く岬さんは何とも言い難い悲しげな顔をするから、私はさらに胸が痛くなる。

そして、次に告げられる事実にも──。



「……優海は、俺の奥さんだった人」


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