この恋は、絶対に秘密!
未来くんに少し同情しながら車を降りると、門の前に一台の車が停まるのが見えた。

誰だろう……と小さな疑問が頭を過ぎるけれど、汐美さんの声で私の意識はそちらへ向く。



「お嬢様、このバッグはお嬢様のお部屋にお運びしておきますね」

「あ、ありがとう」



軽々とバッグを持っていく汐美さんに続いて、私も重い気持ちのまま部屋へ入ろうとした、その時だった。


さっきの車のドアが閉まる音がして、何気なくそちらを振り返り……

姿を現した人物に息を呑んだ。



「ひ、宏典さん……!?」



ゆらりと大きな体を揺らして車を降りてきたのは、熊さん……もとい宏典さんだった。


今日は着古したような色褪せたポロシャツに緩めのジーンズを履いている。

何日かぶりに見る彼は、お見合いの時とは別人のようだ。


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