この恋は、絶対に秘密!
「ようやく会えましたね、瀬奈さん……」



不気味な笑みを張り付けてこちらにゆっくり近付く宏典さんに、私は思わず後退りした。



「ダメじゃないですか、婚約者から逃げ出したりしちゃあ……」

「はぁ……!?」



婚約者? 何勝手に決め付けてるのよ!

私は思いっきり顔をしかめるけれど、宏典さんは何も気にしていない様子で徐々に歩みを進める。



「正直見損ないましたよ、瀬奈さん」

「……何、言ってるの?」

「知ってるんですよ……あなたがどこへ身を潜めていたのか」



玄関の支柱に背中をぶつけた私を追い詰めるように彼が近付く。そして。



「何日かあなたを監視して、ようやく突き止めたんです。
……男の家に上がり込んでるってことを」



その言葉に、背筋がゾクリとするのを感じた。


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