この恋は、絶対に秘密！

岬さんとのかりそめの同棲生活が終わってから、早くも一週間が経つ。

それでも、胸の傷がかさぶたになるにはまだまだ時間が掛かりそうだ。



「あ、わかった！あんたが元気のない理由」



ペンを走らせていた知恵美ちゃんは、ふと思い出したように顔を上げる。



「なに？」

「課長のとこに最近女の人が会いに来てるから、気になって仕方ないんでしょ」

「……女の人？」



パソコンから目線を上げて考えを巡らすと、ある人物が浮かび上がる。

でも全く気にしてなんていない、お門違いの人物だ。



「それってスミヤの人のことでしょう？仕事で来てるだけじゃない」



知恵美ちゃんが言う女性は、うちにお弁当を依頼してきたスーパー“スミヤ”で惣菜の仕入れを担当している人のことだ。

たしかに最近その打ち合わせでよく来てはいるけれど。