この恋は、絶対に秘密!
「これが入る弁当は主婦層をターゲットにしてるんです。彼女達は必要以上に塩分が入っているものはあまり好まないはずだ。
それも踏まえて味付けを考えてください。自分だけの意識で決めないでいただきたい」



ビシッと言い放つ岬さんの表情はクールなのにどこか威圧感があって、自分が怒られているわけではないのに私は肩をすくめた。

岬さんより一回り年上の調理課長も、渋々といった様子で了承していた。



やっぱり仕事に関しては容赦ないんだ……。

知恵美ちゃんは“また始まった”というような顔で苦笑していたけれど、私は改めて岬さんの熱心さを実感していた。


そしてふと思い出す。

このスミヤのお弁当の依頼を請けた辺りから岬さんの様子が少し違う、と知恵美ちゃんが言っていたことを。


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