この恋は、絶対に秘密!
「課長って滅多に自分のこと話さないでしょう?だから奥さんがどんな人でどんな仕事してたとか、何にも知らないの。愛妻家って感じでもないしね。
それでも、やっぱり奥さんが亡くなった時相当ショックを受けてたのは見ててわかったわ」

「そうだったんですか……」



勤務表の岬さんの名前に再び目を落とした時、お昼の休憩になる12時を知らせる音が鳴った。

安藤さんとの話もそこまでで切り上げられたけれど、私はしばらく自分の席から動けなかった。



『忘れられるわけないんだけど……それが、たまに辛くなるんだよ』


と、あの日花火を見ながら彼が言っていたことを思い出す。

その言葉に隠された真意が、少しだけわかったような気がした。


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