この恋は、絶対に秘密!
手元に視線を落としたまま、次第にとろりとしていくホワイトソースをひたすら混ぜながら正直に言った。


未来くんが小さく息を吐き出すのが聞こえる。

そして「瀬奈ちゃんは案外強情だからなぁ」と呟くと、仕方ないなと言うようにふっと苦笑を漏らした。



「……別に、僕とあの人の間に直接何かあったわけじゃないよ。僕が勝手に敵対視しちゃってるだけで」



少し影を落とす未来くんの横顔から目が離せなくて無意識に手を止めていると、彼がこちらを向いて微笑みかける。



「焦げちゃうよ、それ」

「あ……」



ふつふつと煮えるホワイトソースを慌てて掻き混ぜる。
これを焦がしたら今日の海老のグラタンはまた失敗に終わってしまう。

岬さんの家で作ったカレーのことを思い出した。


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