この恋は、絶対に秘密!

そして迎えた金曜日。岬さんの姿がない事務所で一日を過ごした。


今日彼は奥さんに会いに行ったんだろうな……
もう二度と触れられない、愛しい人に。


そう考えるとズキンと胸が痛んで、嫉妬なのか同情なのか、よくわからない感情に心が締め付けられた。



仕事を終えて会社を出ると、私は少し離れた人目につかないビルの裏道に向かった。

そこで待つ未来くんの車に乗ると、彼はすぐさま発進させる。



「ごめんね~急がせて!日が暮れる前に行っときたかったからさ」

「それなら無理に今日じゃなくてもよかったのに……」

「僕は今日行きたかったの」



いつになく強引なワンコに私は口を尖らせつつ、髪を結んでいたゴムを外して眼鏡もバッグにしまった。


< 283 / 387 >

この作品をシェア

pagetop