この恋は、絶対に秘密!
幼なじみ、だったの?
未来くんと優海さんが──…


言葉をなくす私に、未来くんは「暗くなる前に早く行こう」と優しく促した。



気付かなかったけれど、後部座席にはお供えの花やお線香が用意されていた。

桶を借りて、彼女が眠る場所へ無言で歩く未来くんの後ろをついていく。


そして、ある一角の墓前で彼は立ち止まった。



「久しぶり……優海」



そう呟いた彼には笑みもなく悲しみも感じられなくて、ただ儚げな表情で彼女を見下ろしていた。

そこにはまだ生き生きとした花が供えられている。彼女の家族か、岬さんが訪れた証拠だ。


けれど、その墓石に刻まれているのは“坂下家”の文字。



「坂下……?」



どうして岬家ではないのだろう?

そして名字が坂下ということは、まさか──?


< 285 / 387 >

この作品をシェア

pagetop