この恋は、絶対に秘密!
優海の家族が俺を残して病室を出ていった後も、しばらくベッドの脇にただ呆然と立ち尽くしていた。


人形のように目覚めることのない眠りにつく彼女は、その肌の白さを一層際立たせていてただただ美しい。

おとぎ話なら、ここで王子が口づけをすれば姫は何事もなかったかのように目覚めるのだろう。


そんなことをぼんやりと脳裏に過ぎらせ、俺はゆっくり彼女に顔を近付けた。



──冷たい唇に落とした、最後のキス。


それは少し塩辛くて。

あぁ、俺は泣いているのか……と、その時に初めて気が付いた。



俺が彼女を愛していたこと、
それ以上に愛されていたことを、

こんな形で実感したくなどなかったのに──


激しい後悔に押し潰されそうになりながら、もう届かない謝罪をひたすら繰り返していた。



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