この恋は、絶対に秘密!
あ……。

もしかして、私の緊張を解すためにここへ連れてきて話をしてくれたの?


そうじゃなかったとしても、課長のおかげでだいぶ気が楽になったのは事実。



「本当に…ありがとうございました」


と感謝を込めてもう一度頭を下げると、彼は。



「来年は一緒に仕事が出来たらいいね」



そう言って、穏やかに微笑んでくれたのだった。



今思えば、私が恋に落ちたのはこの時だったのかもしれない。

あの後の試験が絶好調だったのも、課長の一言があったからだと思う。



絶対にこの会社に入って、彼と一緒に働きたい。

もう一度彼に会いたい──…


試験直前に芽生えたこの気持ちが、更に私のやる気を引き出してくれたんだ。




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