この恋は、絶対に秘密!
箸で摘んでいた大豆が転がり落ちてることにも気付かず呆然とする私の顔を、知恵美ちゃんが意地悪な顔をして覗き込む。



「何よ、そんなにショックなの?」


「そりゃ…まぁ…」


「あのねぇ。瀬奈は男に幻想を抱きすぎ!
独り身の男だよ?性欲だって溜まるんだからAVだって見るし、そういうお店にだって行くのが普通よ。健全なのよ!」



立てた人差し指をビシッと私に向けて力説する知恵美ちゃんに面食らってしまう。

しかも赤裸々な話に私の方が赤面しつつ、もう少し静かに…!と目で訴えるけれどそんなことお構いなしだ。


そして彼女は一呼吸おくと、私を試すような目で見つめてくる。



「どーよ、幻滅した?」


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