この恋は、絶対に秘密!
「……そうです。私は彼が大好きなんです。彼以上に愛せる人はいません!
だから、結婚は出来ません。ごめんなさい!!」



ばっと勢い良く頭を下げた私に、「そんな……」となんとも情けない宏典さんの声が降りかかった。

反対に、お父さんからはメラメラと困惑と怒りのオーラが出始めたのを感じる。



「瀬奈……一体どこの誰なんだ、そいつは!?」



『会社のバツイチの上司です』

……なんてバカ正直に言えるはずもなく、私は言葉を濁す。



「それは……まだ言えないけど」

「言えないってことはロクな奴じゃないんだな?そんな男はお父さんは認めんぞ!
宏典くんにしておきなさい!!」

「嫌です!絶対イヤ!!」


< 54 / 387 >

この作品をシェア

pagetop