この恋は、絶対に秘密!
鎖骨が見えるラフなTシャツに濡れた髪の毛、それを気怠げに掻き上げる仕草……

いつもと雰囲気が違って、ただそれだけなのにドキドキしてしまうなんて、私って重症かも。



さっきのこともあってなんとなく目を合わせられないでいると、岬さんは冷蔵庫から缶ビールを取り出しながらこう言った。



「俺は明日仕事だから朝早いけど、絵瑠ちゃんも一緒に出る?」

「仕事……なんですか」



土曜日だから休みかなと思ってたけど、やっぱり岬さんは仕事するのね。

そういえば、私明日のことなんて頭から抜けてたな……。


どうしようか考えていると、岬さんはビールを喉に流し込み横目で私を見やる。



「……明日はちゃんと家に帰りなよ。送っていってあげるから」


< 94 / 387 >

この作品をシェア

pagetop