キスから始まらない恋。




そんな私の心の叫びは、見事に廊下の叫び声にかき消された。



「…はぁ」



本日、何度目かわからないため息をつく。



大丈夫だ。これ以上幸せは逃げていかないだろう。




ガラガラ……



『瞬夜様――お席はこちらですわ――!!』


『キャー近いですわ、嬉しいです!!』



「…よかったよかった」


席がグ~ンと離れてて。




って、ちょっと待て。


恐る恐る右側を向く。



「同じクラス?!」
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