猫 の 帰 る 城








その夜、バイトを終えると真優の言うまま、彼女の部屋に行った。

真優の身体は、やはり小夜子のそれとは違った。
だけどこれでいいのだと思った。

僕はきつく目を閉じた。

こびりついた小夜子の泣き顔が、いつか完全に消えてなくなればいい。

笑顔も、身体も、においも。
いつかぜんぶ、ぜんぶ、ぜんぶ、

完全に消えてなくなればいい。



やるせない苦痛を、残酷な快楽が呑み込んでいった。












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