その恋、取扱い注意!
「うわっと、本当にお前ってバカ力だな」

それは違うと思う。
私が力を入れた瞬間、湊は力を抜いた。

「湊、からかわないで」

起き上がり、湊を睨みつける。

「からかっていないんだけどな。まあ、今日のところはやめておくよ」

今日のところはやめておくって? どういうこと?

「ねえ、どうしてここに私がいるの?」

「内緒だって言っただろ」

「教えてくれてもいいじゃないっ。ケチっ!」

まるで子供の言い合いだ。
私は頬を膨らませ、湊もムッとした顔をしている。

「顔を洗わせて」

「ああ。あっち」

顎で示された方へ足を進める。

「タオルは、横の棚な」

「あ、うん!」

洗面台の鏡を見て、自分の顔にうんざりする。

なにこれ、腫れぼったい顔は。

もともと濃化粧はしないので、いつのまにか化粧はすっかり取れていた。

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