その恋、取扱い注意!
ふと、湊からのお土産のあのピアスの袋が目に入る。

付けてみようかな……。

仕事中は付けられないけど、肌身離さず制服のポケットに入れておけば安心だし。
やはり高価な宝飾品は気を使う。



翌日、午後になると、何度も時計を見てしまっていた。

カウンターが閉まる午後7時、OLふたりが駈け込んで来た。
彼女たちの対応を終え、時計を見ると30分を過ぎてしまっていた。

大丈夫。湊は待っていてくれる。

こういう時はなぜだか、そう自信をもってしまう。

更衣室で急いでシャーベットオレンジ色のワンピースに着替えて、制服のポケットからピアスを取り出す。

携帯用のピアス入れから、キラキラ光るリーフ型のピアスを取り耳に付けて行く。

「すごい、これが本物の輝きってやつ?」

蛍光灯の下でも、ピアスは存在感をかもし出している。

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