その恋、取扱い注意!
「見ての通りな」

湊はわざわざ握る手を持ち上げて、松下さんに見せびらかしている。

「み、湊やめてよ。離して」

小声で湊をたしなめる。
そんな私と湊を、交互に見ていた松下さんの表情が、ふと柔らかくなった。

「仲が良くて羨ましいわ。じゃあね。安西さん、お疲れ様」

松下さんは湊を見ずに、私に言葉をかけると、会社に向かって歩き出した。

「お疲れ様でした!」

通り過ぎる姿に私は、頭を下げた。

どーしよ……絶対に気分悪くしたよね。
湊と結婚したいとまで、言っていたんだから。

「ミミ、行くぞ」

歩き出した湊に、手をグイッと引っ張られる。

「あっ!」

いつもより高いヒールに足を取られ、転びそうになった。

「湊、待ってよ! ヒール高いんだから」

湊が立ち止まって、振り返る。
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