その恋、取扱い注意!
「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」

窓際の席に案内されて、窓の外を見ると高速道路が目に入った。
渋滞中でテールランプの灯りが綺麗だ。

ふと視線を戻すと、メガネの奥の切れ長の目とぶつかる。
湊と目が合うと、胸の中に無数の蝶が羽ばたいているみたいに落ち着かない。

昨日から、ううん、その前から私おかしい……。

「あ! そうだ! 湊の部屋にいた理由を、教えてくれるんだよね?」

「お前の携帯履歴から俺の番号を調べてかかってきた。それだけのことだよ」

「たったそれだけ……?」

「ああ。他にどんな理由があるんだよ。考えれば分かることだろ?」

「なんだぁ。そんなことなら、さっさと教えてくれればいいじゃない」

そうだよね。よく考えなくてもわかることだった。
湊に連絡が行って迎えに来た。
それだけ。

納得して、背もたれに身体を預けた。


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