その恋、取扱い注意!
服の上から胸に湊の手を感じた時、私は冷や水を浴びせられた時みたいに固まった。
それを瞬時に汲み取った湊はキスを止めて、じっと私を見つめる。

「いやか?」

「嫌じゃないけど……」

胸に触れられ時、高野先輩の手を思い出してしまったせいだ。

口ごもる私から湊は離れる。
離れてから私を起こしてくれる。

気まずい……と思った時、湊が笑った。

「ちょっと休憩な」

「え……」

ちょっと休憩って、まだ続きを……?

湊は私が戸惑っているのをクスッと笑って、キッチンに行ってしまった。

「もらいもののコーヒーゼリーがあったんだ。好きだろ?」

湊はコーヒーゼリーが入っているらしい箱を持って戻って来た。
その箱は有名なパティスリーのもの。
生クリームがたっぷりのったコーヒーゼリーが、私の目の前に置かれた。


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