その恋、取扱い注意!
「もう二度とこんなことはしない。だから今までのことを許してくれ」

「ストーカーの言うことを信じるとでも思っているのか?」

湊は信じられないみたいだけど、私には嘘は言っていないように見えた。

「……本当に約束してください。次回はありません。法的処置を取らせてもらいます」

私はきつい口調で言った。

「約束する。もう二度と近づかない」

高野先輩は足元をふらつかせながら、立ち上がった。

「俺はお前を信じない。いつでも相手になってやるからな」

湊はそう言うと、私の手を握ると歩き出した。

「ミミ、来るなって言っただろう?」

「だって……」

「本当に腐った野郎だな」

湊の怒りはおさまらないようで、苛立たしげな声だ。

「湊、もう高野先輩は私の前に現れないと思う」

「なんだよ。その自信は?」

車の前まで来た湊は足を止めて、私を見た。


< 174 / 437 >

この作品をシェア

pagetop