その恋、取扱い注意!
「大それたことなんて出来ないよ。小心者だと思うの」

「……」

私の顔を見る湊の口元が歪む。

「……たしかに、男から見ても奴は小心者だと思う。でもそう言うやつが切れたら、怖いんだよ。自分を自制できるかどうか……」

「ん……」

「乗れよ」

湊は助手席のドアを開けて私を促した。

「湊、追いかけていった湊は、テレビで見るようなヒーローみたいでカッコよかったよ。ありがとう」

「当然だろ」

私の言葉に少し照れくさそうな顔をして、素っ気なく答える湊。

ほんの少し走っただけで到着。
湊はBMWを自宅の車庫に入れて、私を門まで送ってから自宅に向かった。

「ただいま」

さっと玄関の靴をチェック。

今日はお姉ちゃんまでいるみたい。


< 175 / 437 >

この作品をシェア

pagetop