その恋、取扱い注意!
「そうだよな。ミミの言うことはもっともだと思う。おじさん、喜んでくれる半面、寂しそうだったよ。俺、なんか罪悪感がぬぐえなかったし。奴のことは別の視点で考えよう」

「うん。ありがとう湊」

長年、隣同士の親を見ていただけあるな。

私はにっこり笑う。

「やべえ」

「なにが?」

「いや、家に入る前にキスしておけばよかったなって」

「は?」

「お前が可愛すぎるから。いや、やっぱり今キスしたい」

私の両肩は湊の手に軽く掴まれ、引き寄せられる。
強引に引き寄せられて、慌てて湊の胸に両手を置き突っ張る。

「えっ? ちょ、ちょっとそれはだめっ!」

口紅が取れるし、下に行ってキスしたって思われるのは……。

「お前、突然席外して自分の部屋に……なんて、おじさん達が何を想像すると思っているの?」

「え?」

「我慢できないお前が俺を部屋に連れ込んだんだろうって」

「っ! ば、ばっかじゃないのっ! そんな想像するわけないじゃないっ」

「そうか? じゃあキスして口紅取ってやるよ」

私の押さえる手もなんのその、湊は再び引き寄せようとした。


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