その恋、取扱い注意!
「どうしてそんなにびっくりするのかしら? なんかやましいことでもしてきた?」

階段をのぼりきった私に、意味深な笑みを浮かべて聞いてくる。

「な、なにもしてないし」

平常心を装いたくても、今夜の湊との時間を思い出して上ずった声になる。

「湊と一緒だったんでしょ? なんでもなかったら、どうしてそんなに動揺しているのかしら? ミミ?」

「変な風に勘ぐらないでよ」

ニヤつくお姉ちゃんをしり目に、部屋のノブに手をかけた。

「それ、エンゲージリングじゃない!?」

目ざとく左手の指輪を見つけたお姉ちゃんは、がばっと私の手を掴んで持ち上げた。

「すごい指輪!」

「ま、まあね」

「湊ったら、若いくせに高給取りなのね。ま、わが社とは比較にならないくらいの大手外資系のトレーダーだしね。いい物件見つけたわよ」

「物件ってなによ」

湊を物件呼ばわりするお姉ちゃんに、ムッとなる。

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