その恋、取扱い注意!
「これくらい素直になってくれると、嬉しいんだけどな。とりあえず海外挙式、調べておけよ」

「湊……」

何も言えなくなった私の背に手を置くと、玄関まで送り届けてくれた。
私が手に持っていたカギで、湊は開けてくれる。

「おやすみ。入れよ」

「ううん。見送るから……おやすみなさい」

「ああ。じゃあな」

手を軽く振った湊は、実家に向かう。
その後ろ姿を最後まで見送ってから、静かに玄関を開けた。

シーンと静まり返った家の中。
時刻は午前1時過ぎ。
音をたてないように階段を上がるつもりが、築14年の床はギシリときしむ音をたてる。

「遅かったのね?」

お姉ちゃんの声に驚いて、肩が跳ねた。
同時に2階の廊下に電気が点く。

「お姉ちゃん! びっくりさせないでよ」

階段の上から見下ろしているお姉ちゃんに、小声で文句を言う。

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