その恋、取扱い注意!
「えっ? それってどういう意味で?」

想像通りに久我さんの形の良い唇が、ポカンと開く。

「私にもわからないの。どんな意味で紅緒さんが気になるのか……」

「紅緒さんはとびきりの美人で素敵な人だけど……安西さん、もしかして百合系だったの?」

「えっ? 百合系って?」

「ガールズラブ。つまりレズビアンよ」

「そ、そんなことないっ! そこまでじゃあ……」

紅緒さん自体よく知らないけれど、気になる存在なのは確か。
でも、紅緒さんと、どうのこうなんて考えられない。

「でもさ、紅緒さんってニューハーフだけど……」

久我さんは瞳を楽しそうに輝かせる。

「う、うん……」

「まだ女になっていないかもよ?」

「それどういう意味?」

「男性の部分を――」

「や! 久我さん、もう言わないでっ」

「安西さんったら初心なんだから~」

まだ酔っているのか? そう思われるほど久我さんの声は大きい。

久我さんのてのひらで、腕をバンッと叩かれ痛みが走った。

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