その恋、取扱い注意!
もうすぐシャッターを閉める時間だ。
その時間が近づくにつれてソワソワしてくる。
湊に会うせい。

「ありがとうございましたー」

久我さんが最後のお客様を見送り、シャッターの開閉スイッチを押している。
ピタッとシャッターが地面に着くと、久我さんがパタパタとカウンター越しの私のところへやってくる。

「外にめちゃくちゃカッコいい人がいたのっ」

「めちゃくちゃカッコいい人?」

頭に思い浮かぶのは湊だ。

「知的メガネ男子って感じ。彼に誰が近づいたと思う?」

シャッターが閉まるのがゆっくりな為、久我さんはその人をずっと見ていたよう。

「私の知っている人?」

「ええ。お似合いなのが悔しかったわ」

「それって――」

「松下さんよ。親しげに微笑んでたわ。松下さんの彼氏なのかしら。悔しいけどいい男なのよ。興味湧いた?」

メガネをかけている人で松下さんが親しげ……もしかして湊が待っている?

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