その恋、取扱い注意!
「まだ処女発言だな。数えきれないくらい俺に愛されているのに」

ソファの上で反転させられ、すでに脱がされたパーカーの下の水着の肩ひもを下げようとしている。
その手をがしっと押さえて起き上がり、湊から離れる。

「ぜーったいにシュノーケリングするからね」

湊は笑って、私が今まで寝そべっていたソファにごろっと仰向けになる。

「日焼けだけは気をつけろよ?」

「え? 日焼けしちゃダメなの?」

色が白すぎるから、日焼けして小麦色の肌になるのが夢なのだ。

「当たり前だろ? ミミの肌は白すぎるから、すぐに赤くなるぞ? それに痛くて眠れなくなるよ」

「そうかなぁ……」

「用意しておいた日焼け止め、しっかり塗っとけよ。スーツケースの中に入っていたよな?」

湊は水着から日焼け止めまで、必要と思われるものをすべて用意してくれていた。

「湊は女性が持つものに抜かりがないね? さすが紅――」

紅緒の名前を出そうとすると、湊が睨む。

紅緒を忘れたいみたい。

「お前、その名前を言ったら帰りまで寝室から出さないからな」

「はいはい! わかりました。湊さん」

私はいつかまた湊の紅緒さんを見たいと心の中で考え、クスッと笑った。

その希望はいつ叶うか……。


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