その恋、取扱い注意!
「安西さん、湊と仲良さそうだったし。彼のこと、いろいろ教えて欲しいの」

「今湊は家を出て1人暮らしですし……私が知っていることは、付き合ったことのある松下さんの方が、知っていると思うんですけど」

「私、彼の家に一度も行ったことがないの。どんな家に住んでいるとか、ご両親はどんな方だとか、そんなことを教えて欲しいの」

それって結婚を視野に入れているってこと?

「どうしてそこまで知りたいんですか?」

なんか胸にモヤモヤしたものが現れて、聞いていた。

「もちろん、結婚したいからよ。湊なら私の夫として申し分ないわ。私の両親も気に入ってくれるはずだしね」

結婚……やっぱりそうだったんだ。

「あ! もうそろそろ行かなくちゃね」

ヴィトンのバッグを手にして立ち上がった松下さんは、伝票を手にした。

「ここは私がおごるわ」

「え! でもっ! 払いますからっ」

私のかける言葉もむなしく、松下さんはレジにさっさと行ってしまう。

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