その恋、取扱い注意!
昨日湊と入ったコンビニが目に入り、ホッとする。
ホッとしたら、暴れていた心臓も落ち着いてきた。

その時――

「美海ちゃん」

低くこもったような声に、肩がビクッと跳ねる。
目の前に不意に現れたのは高野先輩だった。

「いったい、なんなんですか!?」

彼から距離を置こうと、じりじりと後退する。

「君が好きなんだよ。君に会いたくて仕方ないんだ」

知的だと思っていたメガネの奥の瞳も、今は気持ち悪くて目も合わせられない。

「私は会いたくないんです! 近寄らないで!」

手を伸ばされれば掴まってしまう距離に恐怖を覚える。
コンビニが近くにあるというのに、通りを歩く人がいない。

「そんな怒った顔も可愛いね。これから食事でもしようよ」

「いやです!」

「そんなこと言わないで。君と食事がしたいんだ」

ガシッと腕を掴まれ、喉の奥から掠れた悲鳴が上がる。

「なにもしないよ。食事だけ」

「っ! いやっ! 離して!」

腕を引きはがそうとした時、

「美海ちゃんじゃないの」

背後から女性の声がした。

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