その恋、取扱い注意!
助かった……。

高野先輩は女性が現れて、咄嗟に私から離れて行ってしまった。

「美海ちゃん、知り合いだったの?」

湊のお母さんだった。

「高校の時の……」

力が抜けて、その場にへなへなと座り込みそうだった。

「大丈夫?」

「は……い……ありがとうございます。助かりました」

「もしかしてナンパされていたの?」

答えに困っていると、

「もしかしてストーカー?」

「ま、まだわからないんです。母には言わないでくれますか? 余計な心配をかけたくないので」

「……わかったわ。でも何かあったらでは遅いんだからね?」

「はい」

「湊に相談してみましょうか?」

湊……。

「いいえ。またこんなことがあれば警察に相談してみます」

「そうね。テレビなんかでは警察はあてにならないみたいに報道されているけど、一度相談してみるのもいいわ」

家の前までやって来た。


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