その恋、取扱い注意!
「もう、よくわかんない」

そう。私の頭の中はパニックを起こしている。

「ほんと、ミミはお子様だな。今のは冗談だよ。久しぶりに会ったからから、かいたくなっただけ」

じょ、冗談? 私、がっかりしてる? ううん。そんなことない。
絶対ないっ! 
ドキドキさせられ過ぎて、急に体の力が抜けた。

「からかい過ぎっ! バカ湊っ!」

「ミミの貧弱な身体じゃ、そそられないしな」

ひ、貧弱ぅ~? こう見えても胸はDカップですっ! 
どこに目をつけてるのと、言いたい所だけど、開いた口を閉じた。

「湊と会話していると疲れる。もう帰ろうよ」

「冷たいな。ミミは」

「湊のせいでしょっ。湊が誘ったんだから、湊がおごってね」

私は立ち上がると、湊を待たずに出口に向かった。
BMWの前で待っていると、湊が戻って来た。
少し不機嫌そう。

「どうやら俺たち、見合いしているように思われたらしい。レジで言われた」

「え?」

「俺たちの格好が、そう思わせたみたいだな」

助手席のドアを開けた湊は、前を回って運転席のドアを開けた。


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