その恋、取扱い注意!
「二度と現れないで!」

『あ、もしかして僕をストーカー扱いしてる? 無理もないけど』

笑い声が聞こえる。
その声に背筋がぞっとなる。

『食事を一緒にして欲しいだけなんだ。一度だけ会ってくれたらもう会わないよ』

本当に? 一度だけ、食事をすればいいのなら……。

『明日、会ってくれる?』

どうしよう……。本当にそうなのか。

『美海ちゃん?』

「……わかりました。駅前のファミレスでいいですか?」

『ファミレスかぁ。出来れば高級フレンチレストランで御馳走したいんだよね』

「フレンチは苦手なんです」

『イタリアンレストランは? 銀座の寿司屋もいいな』

「駅前のファミレスでなければ会いません」

『分かったよ。じゃあ、そこで待ってるよ』

「……はい」

私の返事を待って、電話が切れた。


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