my existence sense-神が人を愛す時-
「待って、ジーザス!
彼は、彼は違――――」
ッ。
「あぁら!貴方がお話に聞いていたジーザス様ねぇっ!」
「その通りっ!
私がお話に聞いていたジーザス様――――って、んん?!」
キルファの制止の声をまたもや遮り、今度は俯いていたその人が口を開く。
バッと上げられる顔。
艶やかな髪に潤む瞳に麗しい唇、噂に聞いていた通りの美人。
........。
なのだが、何故だろう。
強烈な違和感をやっと感じてジーザスは首を傾げる。
「キルファ様からのお話の通り!
男らしい格体っ!厚い胸板っ!ワイルドさの中に残るマイルドさっ!
お話に聞いていた通りあたしの好みだわぁ、ウフフ」
ゾクリッ。
何故だろう、ジーザスに強烈な寒気が迸った。
何なのだ、何なのだこれは。
聞いていた通りの美人が自分の事をこれだけ言ってくれているのに、何なのだこの寒気は。
.........。
ジーザスは一旦興奮しきった気持ちを落ち着かせて改めて彼女を―――その人を上から下まで見てみた。
確かに、確かに長いその髪は艶やかでぱっちりとした瞳にプルンッとした唇である。
だが、どうだろう。
些か化粧が濃い気がする。
.........それにばっちりと合う目線。
ジーザスはかなり長身であるはずなのに屈むことも見下ろすこともしないで真っ直ぐと視線が合う。
それにそれに肩幅も随分とがっちりとしていて、露出の多い服から覗く腕や足もかなりムキムキな筋肉質である。
「お、お嬢さ――――ッ!!!」
そして遂に決定的な物を見てしまいジーザスは絶句する。
それはウフフと上品に女性らしく笑うその口元。
そこに、そこに在ってはいけないはずのうっすらとした青い影。うっすらと残る青い髭。
「あぁあら?どうしたの、ジーザス様?」
「ひぃいっ!!」
バッ!
ガシッ!
「おいおいおいおいっ!
な、な、な、な、な、何なんだ!何なんだよ、これは!!」
グイグイ近付いてくるその人。
ジーザスはバッとその場を飛び退き、再びキルファの肩を掴み無理矢理に引き寄せる。
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