my existence sense-神が人を愛す時-
「だからさっきから言っているでしょう?
彼は違うんだって」
「彼............」
今更キルファの言葉の違和感に気が付いた。
気が付いてしまった。
―――。ッ。
恐る恐る彼女の、いや彼の方を振り返ってみる。
するとニッコリ笑ってヒラリと手を振り答えてくれる彼女、いや彼。
「まぁ君が彼の方が好みだというのなら、僕は全然構わないけれど」
「いや、構え!そこは構え!
幾ら髪が艶やかだろうと幾ら唇が麗しかろうと、それは駄目だろ?!
性別なんて最重要ポイントだろ?!」
「えぇ、そうかなぁ?
お互い愛があれば関係無いんじゃないかなぁ?
ほら、彼も君の事を気に入っているみたいだし」
「さすがに、さすがにこの俺でも性別は超越出来ん!
歳の差とか人妻とかそういうのは構わないが、その一線だけは越えられないっ!」
「ジーザス、今君サラリとかなり問題のある発言をしたね」
落ち着きを取り戻した城の中で随分と此処だけが賑やかだった。
まぁ、賑やかなのは主にジーザスとキルファ。
そしておネエさんな彼だけであるが。
ガチャッ。
―――ギイィッ。
「!」
「あぁ、もう皆さんお集まりでしたか。
お待たせして申し訳ありません」
「って、バロンかよぉ........お前は要らん!どうでもいい!」
「なっ!
入ってきて早々どうでもいいとは何ですか、どうでもいいとは!」
そんなやり取りの最中、タイミング悪く中へと入ってきてしまったバロンに漏れ無く飛ばっ散りが飛ぶ。
「一体なんなんです?
他の方達を放って置いて何をやってるんですか?
皆さん呆れ返っていますよ、ほら見て下さい」
........。
言われてみればそうだった。
此処には今彼等だけではなかった。
広間には所々に散らばってはいるが他にも数人の影。
その存在をすっかり忘れていた。
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