my existence sense-神が人を愛す時-
..........。
スッ。
「あぁら、それじゃああたしから行くわねぇ?」
ジーザスに言われて一瞬止まった会話。
それを再開させるのは無理矢理に作っているような甲高い声の例の彼。
その声に先程の衝撃を思い出してジーザスが一人ブルリッと身を震わせる。
「あたしはアマレット。
気軽にアマレットちゃんって呼んで頂戴?うふふ。
仕事は機械工。機械弄りなら、ま・か・せ・て?
一応専門としているのは飛空艇なんかかしら。
勿論操縦もしちゃうわよ?
今回はこのキルファ様に呼ばれて参上した次第よ。ほぉら、こーんな色男からお願いされちゃったら断れないじゃなぁい?」
「..........機械工とは喋り方とは裏腹に随分と男臭いですね」
「あぁら、バロン様ったら酷い。
か弱いレディに向かって男臭いだなんてっ」
「.........。
ゴホンッ。いや、見た目の美しさとのそのギャップに少し驚いてしまっただけですよ、
アマレットさん」
失言をした。
そう思ったのかサラリとそんなフォローを入れるバロン。
さすがは女性の扱いに手馴れている。
まぁ正確には女性ではないのだけれど、とりあえずは女性であるということにしておこう。
「あら、美しいだなんてぇ!
もうバロン様ったらお上手なんだからぁ!」
「いいえ、本当のことを言ったまでですから。
またお話は後から。まずは皆さんの自己紹介を済ませてしまわなければいけませんからね?
さぁ、それではお次は――――あれ?」
ッ。
感激するアマレットちゃんにお得意のキラースマイルでニッコリと笑うバロン。
それから話を前に進めようと彼女の隣の影に目を移す。
スッと横に移す視線、だがしかしその横にはある筈の影が無い。
「此処だ、腑抜けが」
「!?」
見えない影に首を傾げるバロンに下から冷たく罵声が飛ぶ。
この声は、この声は聞き覚えがあった。
バロンはハッとして声の方を見る。
すると見覚え新しい鶯色の揺れる二つお下げ。
「なっ..........お嬢ちゃんが何でこんな所に―――」
「何だ。
何処の腑抜けた面だと思ったら昼間のナンパ男か」
「だ、誰がナンパ男ですか!」
バロンとメリル。
そう、二人がこうして顔を合わせるのはこれで二回目だった。
昼間。
キルファとの話を終えて自室へと戻るバロンとそれと入れ違いでキルファの元へと向かっていたメリル。
廊下の突き当たりで二人はぶつかった。
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