my existence sense-神が人を愛す時-
初めバロンはメリルのことを迷子と思った。
無理も無い。
端から見ればメリルはただの小さな女の子、そんな子が一人きりで城の中を彷徨いていれば誰だってそう思う。
だがメリルからしてみればそれは大きな勘違いで鬱陶しいことこの上無いお節介。
善意から熱心に声を掛けたバロンを冷たくあしらい、あしらわれたバロンは何が起きたのか理解出来ずに放心した。
「おいおいおいおい、何だよバロン?
お前まさかこんな幼女が好きだったとは!
いやまぁ前からいつかやらかすんじゃねぇかとは思ってたがよぉ......いやぁこの変態!このロリコン!」
「ちょっ!
誰が変態ですか!誰がロリコンですか!
そんな趣味は僕にはありませんし、そもそも僕はこの子にナンパもしていません!」
「いいや、この男はお父さんがどうとかお母さんがどうとかそんなことまで聞いてきたぞ?
会ったその場に両親の紹介まで求めるとは......手が早いを通り越して礼儀知らずだな」
「はい?
なっ、僕はただこの子が迷子になってると思って一緒に御両親を捜してあげようと――――」
「あらバロン様ったら、それは礼儀知らずよ!
男と女にはちゃんと順序というものがあるのよぉ?」
「っ!だ、だからですねアマレットさん!
男とか女とか今はそういう問題では無いでしょう?!」
「もうバロン様ったら最低っ!バロン様の人でなしぃ!」
「何で貴方までアマレットさんみたいな口調になっているんですか?!ジーザスさん!
貴方が喋ると話がいつもややこしくなるんですから黙っていて下さいっ!」
「喚くな、腑抜け男。
耳が痛い」
「だ、誰のせいでこうなってると思うのですか!」
昼間の善意からした行動が、この人達に掛かればロリコン扱い。
あぁ、先程キルファがしてくれた素敵な紹介がまるで帳消し。
大切な初対面の印象が台無しである。
..........。
「こんなのが将軍職とはな。
大丈夫なのか、この国は。
まぁいい。
私の名はメリルだ。
何処にも属していないフリーの殺し屋という奴だな。
雇われれば人だろうが神だろうが関係無い、獲物の息の根は必ず止める」
「こんなのとは何ですか.......って、こ、殺し屋?
こんな子供が、ですか?」
「そうだと言っているだろう?戯け」
どうあってもバロンのことは好きではないらしい。
誰もが聞き返してしまいそうな言葉に対して素直に聞き返しただけなのに、それだけで刺し殺せそうな鋭い視線で睨まれた。
何なのだ。
何だか納得がいかないバロンだがその刺し殺されそうな視線に思わず口を噤んだ。
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