両想いだって辛いんです


「智恵理ー来てよ~!
 杏奈ちゃんのお兄ちゃんマジかっこいいからぁ~」

「今夏ちゃんと話してるから後で見せて~」

友達も多いみたいだし、うらやましい・・・。


私は友達作りなんて下手くそだから今までだって簡単にできたためしはない。

仲良くなる親友もいつかは私から離れていく。

変わりたいけど変われない。

今はもう開き直って、孤立もなれてしまった気がする。

だけど、やっぱりこうして話しかけてもらうと嬉しい。

「夏ちゃん本当は可愛いと思うけどなぁ・・・。
 その髪型とメガネが台無しにしてる。」

赤い額縁のメガネにおさげ。

よくある地味子の典型的なパターン。とよくいわれる。

「そんなことないです・・・っ」

「今日遊ばない?
 夏ちゃんがいいなら。」

「いいんですか!?」

「もちろん」

「じゃあお願いします。」

「また敬語」

「あ、・・・」

「身構えちゃうのかなぁ
 ま、無理せずゆっくりタメ語でいいからね?」

「うんっ・・・」




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