両想いだって辛いんです


待ち合わせ場所に行くと智恵理はもう来ていた。

「今日はね、合コンに行くよ」

「ええええええええ
 無理っ!無理無理!」

「だから可愛くしておかないとね」

「む、無理ですよぉ」

「はい、じゃあまず服買いに行きまーす」



智恵理に引っ張られ、服を買うことになった。


「ん~、そうだなぁ。
 ピンク系はあんまり似合わないかも。」

智恵理はごにょごにょ呟いているし。

「あ!これ可愛い!」

黒のワンピースだった。
スカートは短いし何より私に似合うと思えない。

試着室で髪を下ろされた。

「うんうん!やっぱかわいい」

メガネもはずされた。
コンタクトなんか持っていない。

「メガネねぇ・・・
 それはそれでいいのかもしれない。」

私はただ、ぼーっと突っ立ているだけだ。

「見て!夏ちゃん!」


鏡に映る私はまるで私じゃないようだった。


「うわぁ・・・」

「ふふふ、化粧なんかもしたからね~」

「ち、智恵理さぁ~ん
 ありがとうございます!」

「はい、お礼に合コンついてきてくださいね、ふふ」

「そ、それは~・・・
 智恵理さん待って!」

智恵理さんは
私のお友達になってくれたのかな・・・

そうだと嬉しい。



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