穢れた愛


運ばれたビールにも
手をつけず
ジョッキを眺めている
青柳へ


ベタつくメニューを
差し出す山越は


「好きなの食え」


痛い失費に
家族背景が圧し掛かる


専業主婦の嫁
大学生の息子
高校生の娘


家のローンと
車三台のローン


不出来な部下まで
面倒を見る余裕などなく
言葉とは裏腹に
脳裏で財布の中身を
勘定していた


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