穢れた愛


山越の部署に
青柳が配属されて
三ヶ月弱


馴染めない青柳の
情報は
手渡された履歴書に
刻まれた文字しかなく


弾まない会話は
何処となく
母親贔屓の息子に
気を遣い話す行為と
似通っている


大学の学費から
新車まで
何ひとつ苦労なく
親の脛を齧る息子に
感謝も敬意も
示される事なく


過去の苦々しい記憶が
蘇り


ビールを飲み干した山越は
息子と重なる青柳の前で
重苦しい溜息を
零した


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