無題


有川の家は、ボロアパートの3階にあった。


部屋は、意外にも広くアパートとは思えませんでした。


お風呂もトイレもちゃんとついてます。

部屋の中も整理整頓され、見た目からのイメージをくつがえしました。

そこに座って、と有川に言われ、あまり高さがないソファーにすわりました。
有川は、冷蔵庫から冷たいオレンジジュースを私にくれました。

果汁89%。なんだか微妙ですね。
私は、いっきに飲み干しました。

くちにいれた時より、喉を通る時のほうが冷たくておいしかったです。


『おかわりする?』

有川は、私の返事をきく前に冷蔵庫に向かった。
なんだか悪い気がしたので私も冷蔵庫の前にいきました。

冷蔵庫を開けっ放しにして私のコップにそそいでくれました。

一口飲んだとき、私の目にあるものが入りました。


それなに?

ときくと、

あぁ…あれは、お母さんの血。

と、血がペットボトルの中に入ったものをみながら言いました。
これは、何かあった時のためにつかうそうです。

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