無題


学校につくと、有川が窓側の1番後ろの席に座っていました。

朝練もあって、教室にはまだ数人しかいませんでした。

有川は、他のやつには目もくれず、ずっと携帯をいじっています。

声をかけようと思いましたが勇気がでません。

『おっはよー』

るかが私の肩をおもいっきりたたいてきました。

数人の生徒が有川からるかに目線をかえました。
るかは、しまっという顔をしながら私をみてきます。
私にそんな顔しても助けないよ(笑)なんてね(笑)


私は、るかといっしょに廊下にでました。

『有川、マジできてんじゃん。私、気付かなかったわぁ(笑)……あっ!倉海じゃんじゃん。』

廊下を通っていた倉海にるかが手をふりました。

『ねぇ…有川ホントにきてるよ!』

『マジで。』

有川は、声といっしょにドアをあけました。


『有川…。お前、大丈夫だったのかよ?!』

倉海は、有川にとんであいにいきました。

でも、有川はなにもいわず席をたった。そのままわざと他の生徒の前にいって

『じろじろみんなよ!』

そういってトイレにむかいました。

まって…

私は、有川を追いかけました。

有川は、トイレを通りこし階段をおりていきました。私は、全速力で追い掛けたのですが、やっぱり成長期真っ盛りの男の子になんておいつきませんでした。


『なんで、有川追い掛けてんの??』

『いやっ…べつに…』

倉海もおいかけにきたみたいです。

『そっか…。てか、階段のぼってった?さがってった??』

『さがって…』

『そっか!ありがとう。』

倉海は、おりていった。

私は、追い掛けるのをやめてるかのところに戻りました。


『音乃ったら…。急にどっかいっちゃうんだから…。』

『ごめんごめん(笑)』

『しょうがないなぁ…(笑)てかさ、てかさ、有川なんかカッコよくなってない??なんか、じっとみちゃったよぉ。足も速かったし…。』

『そっそうかなぁ…。でも、達人がいるじゃん。』

『そうだけど…』

『アハハハ』 『アハハハハ』

同時に笑いました。
教室にいた生徒達は、ちらほらしていました。

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