無題


授業中にも関わらず、私は教室に入って自分のカバンをとりにいった。

そのまま授業をうけずに教室をでた私に先生が問い掛けた。

『どこいくんだ?!』

『…。』


私は駆け出し、教室からでた。


口を何度もふきながら、家に帰った。


『学校は、どうしたの?!』


『早退した。』


そのままソファーに飛び込んだ。

『この頃の音乃ちゃん、やっぱり変。いいかげんにしなさいよ。』

何があったかもしらないくせにごちゃごちゃいってくる。

最初のうちは、黙っていたけど、どんどんイライラがつのってきた。


『音乃ちゃん、いじめられたりしてるの?!』

『い』『じ』『め』

みんなには、私の名前が『いじめ』なのかもしれない。


『そんなわけないわよね?だって、私の子なんですもの。』


お母さん!

私は、立ち上がってお母さんに抱きつこうとした。


でも、次の言葉で、私は違う行動に移り変わった。

『いじめられっこです…なんていう噂が、近所に回ったら私が困るわ。』

お母さんは、笑いながらいった。

ムカついた私は、知らないうちにお母さんの頭をつかんでした。


『イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ』


私の手は、ずっと動きっぱなしだ。


弱ったお母さんをソファーに押し付け、私は台所に向かった。

そのまま、台所下の戸棚を開けて右手に包丁、左手にフライパン。

どこかに戦いにいくかという格好。


一度フライパンでお母さんの頭を殴った。

当然ながらお母さんは気絶する。


フライパンと包丁をいったん机においた。


爪を噛みながらどうやって殺すかを考えた。

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