無題
『どこ行くの?』
『築島さん家。』
『私もいく…。』
『来ない方がいい。また泣くぞ…』
有川は、私の家にいってしまった。
何もすることがなく、玄関に座ったまま眠ってしまった。
夢の中で、お母さんが私をさがしていた。
夢の中で出会ったお母さんは、とってもニコニコしていて、覇気があった。
しかも、毎日お父さんがいた。
私好みのご飯。
お母さんとお父さんは、誰よりも私を大事にしてくれた。
夢のお母さんとお父さんが大好きだ。
と思ったのは、つかの間。
夢の中で、お母さんに
『どうして殺したの?』
と、問い掛けられた。
そんなのわからない。
お母さんが好きじゃなかったのかな?
じゃあさ、お母さんは私のこと好きだった?
そう問い掛けても実際のお母さんも夢のお母さんも答えないと思う。
私達家族には、誰も自分の世界に入れない壁があったんだとおもうよ。