無題


『結構刺してたね…。』


有川がいつのまにか帰って来ていて、私はいつのまにか起きていて、いつのまにか玄関じゃない場所に来ていた。


『どうやって片付けたの?』

『ふふっ…どうだろうね…。あっ!ちゃんと鍵しめてきたから…。』

『えっ?!私、鍵閉めずに出てきちゃった?』

『あぁ。』

私は、鍵を閉め忘れるほど、急いでいたんだね。




有川は、テレビをつけた。

『ニュースにもなってないし、そのへんでも噂になってないから、誰にもバレてないと思うよ…。』


いっそのこと、バレてほしかったかも…。

そう思う自分がいた。


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